Complete text -- "Barbe Rac '90 Chapoutier 思い出"

07 October

Barbe Rac '90 Chapoutier 思い出

 さてワイン会に持って行ったバルブ・ラック'90。後日になって甦ってきた思い出に耽ったのでご披露。

 初めてのフランス探訪をした初秋。ディジョンでレンタカーを借り、ブルゴーニュを廻った後、ピュリニー村のレストランでスタジエしている同年代の日本人A氏と意気投合。次の日はシャプティエにアポがあったので、一緒に行こうという話になった。
 で、翌日高速道路でエルミタージュへ。途中ヴィエンヌを超えた辺りで、初めてのガソリン給油とあいなり、そこでフランス滞在が長いA氏に給油を任せたところ、違う油種を入れてしまったらしく(怒)、サービスエリアの出口で車がストップ(泣)。しょうがないので、レッカー車を呼んでもらい、ドナドナされて近くの町工場へ。エンジン洗浄をしてもらったのです・・・。
 シャプティエのアポは14時。電話で事情を話し、大幅に遅刻する旨を了承いただいた。果たしてシャプティエ社前に到着したのは18時。門が閉まっているし、人気すら感じない・・・。愕然としていたら背後からボルボに乗った老紳士が声をかけてきた。
「私は社長の友達で、案内を頼まれている」という。
友達??と怪訝に思いながら、彼B氏は畑に連れて行ってくれた後、悠然と会社の鍵を開け、真っ暗な無人の社内を我が物顔に案内し、試飲室では全てのラインナップのボトルを開けてくれたのでした。その当時のシャプティエの最高峰が’90のバルブ・ラック、ラ・モルドレ、ル・パヴィヨンのトリオだったのです。特にバルブ・ラックが超美味かったー。
 一通り試飲を終えた後、B氏は再びセラーからあのトリオ、そして当時レア中のレアだったエルミタージュのヴァン・ド・パイユのニューボトルを持ってきてボルボに積み込んだ。「さぁ、食事に行こう!」
 連れて行かれたのは当時二つ星の「ミッシェル・シャブラン」。極上のワイン四本を持ち込んでのディナー。テーブルを囲み片言のフランス語で談笑する二人の若い東洋人とシャプティエの友人と名乗る老紳士という奇妙な図。日本で働いていたことのあるシャブラン・シェフの日本語も混じって、なんとも極楽気分な食卓でした。

 なんだか夢物語のようだなぁ、と思い返していました。ワイン・ツーリズムが発達し、うんざりするくらい東洋人がやってくる現代では、ちょっと考えられない出来事かも知れません。若い頃の、古き良き時代? の素晴らしい思い出です。
Comments

hirokog wrote:

こういうステキなお話を聞きながら思い出のワインをじっくりと味わうと、また格別ですよね。私も思い出のワインを開けたくなりました。あ、鹿部の実家のセラーの中だわ・・・。
10/09/09 02:15:51
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